2011年12月19日月曜日

12/12〜12/19

谷内氏への手紙

今日もあたたはリズムに乗って踊りを踊るための練習をなされていたのでしょう?わたしにはわかるのです。いつもわたしはあなたの歩くのを追い越して、遠くから微笑みかけているのですから。あなたはいつも文章を書くための、お話ばかりなさる。その文章であなたがどうなることでもないような嘘を持ってして、嘘にはたいてい意図があるのだけれど、意図がない嘘をつく人は初めてなので、あなたはもしかしたら寝ぼけていたのではありません?(後略)


12/12
大変な一週間を過ごす予感がする。この一週間を乗り切るには、山本精一の本を持っておきたいと思ったので、街へ、ギンガを買いにいくが、ギンガはあったのだが、新品なのにボロボロだったので、別に本の装丁を気にする人ではないのだが、なんとなく気にかかって、これは、アマゾンで買おう、ということにした。せっかく街にでたので、先日、バンバンボリーズでベースを担当している、佐伯さんと一緒に行こうとして、お客さんがいっぱいでいけなかったラーメン屋でチャーハンセットを頼む。このラーメンは黒いけれど、おいしかった。ありがとうございます。またバンバンボリーズの佐伯さんと来ようと思います。

やらなければならないことが山づみだ。なんとかなるんじゃないか、と思って過ごしている。

12/13
朝起きて、図書館で資料を集めにいく。火曜日は用事もあるので、時間は限られている。とりあえず、深沢七郎の批評のある雑誌をひたすらコピーする仕事をしている。
その用事用にも、いろいろと準備しなければいけないものがある。まさに東奔西走右往左往。縦横無尽に駆け巡りました。


12/14
 深沢七郎の研究のコピーは、30本100枚ぐらいは普通にあるような勢いであるが、これを一気に読む。何もかもバックレて一気に読む。深沢七郎を好きで選んだので、嫌ではないような気もしなくはないのだが、しんどいは、しんどい。ミスタードーナッツで何杯もコーヒーをおかわりしながら、読む。チュロスおいしかったです。ありがとうございました。深沢の一環で、加藤典洋の『日本風景論』も読む。

12/15
深沢七郎の研究はまだまだぜんぜん把握できていないような気がする。書庫に籠り、雑誌を漁りまくり、 コピーしまくり、読みまくる。頭が蒸発しそうだ。もうどうなってもいい、と思い、ラーメンを食べるなど、やけになってお金をつかいまくる。その一環で山本精一の『ゆん』や、大谷能生の『持ってゆく歌、置いていく歌』などをアマゾンで買いまくる。

12/16
金曜日なので、おちついて深沢七郎が読める。コピーしまくって読むのみ。大学生の盛り場にくり出すと、みなさんはシュウカツをしはじめているそうだ。出版社に行きたいというハードコアをやっている友達に、出版社はバイトから始めるんだよ、と、変なことを言う。

12/17
今日は土曜日である。時は近い。神様。僕をちゃんとした身分にしてください。
今までの論文を紹介し、まとめる文章を書く。書き終わると燃え尽きる。ああ。
ところで、やっぱり桑田ケイスケはいい。桑田ケイスケのソロは今でも、中学校の時に、一人でよくわからん踊りをしていたように、それと同じ踊りをしていることに気がつく。一人でこういうなんかよくわからん、よく考えてみると発狂してるような踊りをするのが楽しい。そして、桑田ケイスケのソロは、一番踊りが決まる。桑田ケイスケの今年出た新譜も良かった。桑田ケイスケのあのふざけた精神には、批評精神があるんじゃないか?そういえば、12/14に、あの忙しい合間を縫って、『アルテス』という音楽雑誌を買いにいったが、(そんなものを買っているから、余計忙しくなるのだ。)この雑誌はほかのどの雑誌よりも豪華ですばらしい。是非買おう。日頃お世話になっている岡田暁生先生や、高橋悠治、坂本龍一のインタビューや、大友良英、佐々木敦、山崎春美などなどなど、豪華すぎるのである。僕のためにある雑誌だ。僕のためにある雑誌ということは、おそらくあなたのためにある雑誌でもあるかもしれない。
その雑誌の中に、加藤典洋の桑田ケイスケ論が書いてあったのだが、これがとてもすばらしい。

(桑田が「売れ筋」について悩むことがないことについて)桑田に、事前にこの国とぶつかるべき自分の音楽性というものが、もたれていないということを語っている。 ここに言う自分の音楽性とは、自分はこういう音楽を作りたい、というような前もって定められた方向性のことである。たとえば、スピッツの草野マサムネにはそういうものがあった。
全部引用したいが、時間がない。つまり、スピッツはブルーハーツにやりたい音楽をやられて、一旦挫折するが、桑田は周りの音楽的刺激にいつまでも答えを出さずに、サーファーのように身を委ねるのだ。そして出来上がる音楽が、リスナーの音楽性の底部をなす無意識にどこまでも近づいた形で手にされる。ここで、売れ筋とは似ても非なる、なんだかまがい物みたいなものができる。そして桑田はへらへらしてる。う〜ん。良い批評だ!というか加藤典洋が音楽批評をやっていたことにびっくりだ!
 図書館で、仲良くしてもらっている先輩と合い、先輩の作業を手伝う。先輩は卒論に追われているそうだ。僕の資料の何百倍もの本を抱えてコピーしてる。森鴎外はもはや人じゃない。そのままマクドへ。警察が多すぎる。警察が僕に敬礼してくれたようにみえたので、僕も敬礼しようとした。

12/18
ここまでなぜ、論証を書かなかったのか。普通に書けると思っていたからである。でも、前日まで取っておくことはなかったなぁ。ほんまに書けるのかなぁ、という感じで、手探りで書いた。佐々木中の本を使っちゃった。書き終わった時は、あまりにも解放されて、夕ご飯を食べにいこうと自転車をこぎまくって、街の端、銀閣寺のあたりまで、無意味に来てしまった。仕方がないので、せっかくなので、古本屋に行く。よく耳を澄ますと、山本精一の新譜がかかっている。こういうところで山本精一を聞くと、長居してしまうよね。そんなこともないか。なんとなく恥ずかしいけれど、『ユリイカ』の菊地成孔特集を買う。山本精一のアンケートだけやたら長くて、フランスではボリスヴィアン以降スノッブはいないけれど、日本に現れとるわ、とか顔が好きやわ、とか、絶賛していておもろい。別の本屋でベンヤミンのボードレール論と、蓮實重彦の『フーコードゥルーズデリダ』を買う。帰宅途中、僕の大好きな和風で、独自の展開をみせるラーメン屋でチャーハンセットを頼む。ああ、めちゃくちゃうまいぃ。今日もありがとうございます。店のおばちゃんが、シューマイをサービスしてくれて、それもまたおいしいです。ありがとうございます。

12/19
そして今日である。
発表は無事すんだ!以上!

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