2012年2月25日土曜日

トラベル

2/22
まさかテツオさんが帰っているとは…。僕が吉田寮で呑んでいると、欣也さんに誘われ、ハーモニカで吉田寮の寮食でバンドをすることになったことがあったのだが、その時にギターを弾いていたテツオさんと、その後もちょくちょく会わせていただいて、戦前のサイレント時代劇に音響派ノイズをつけるというイベントなどを見に行ったりしていた。テツオさんはどこかに旅に出ていたらしく、今日ようやく一年ぶりに再会したのでした。僕がとても驚き喜びの声をあげていると、「やっぱり誰もが京都に帰ってくるんだねぇ」とおっしゃった。

今日はライブハウスネガポジで、サコさんのライブを見にいこうとしたら、そこにテツオさんがいたのである。なんとも、ありがたい話だ。いっしょにクリント=イーストウッドの「j=エドガー」を見に行こう、という話をした。 私は先日、この映画を見て、ここにある映像のもつどうしようもなさに感動したので、もう一回見たい気になったのだ。2/18日の日記に、僕はこのようなことを書いている。
 行こう、行こうと思いながら、全く行けていなかった、イーストウッド最新作『j=エドガー』を見に行く。 イーストウッドは天才だ…。まずこのような気持ち悪い映画を世界規模で、商業、というかシネマコンプレックスに於いて大々的に公開できることがスゴい。これは事件だろう。ゴダールとかは半分無視されているというのに…。イーストウッドが、ディカプリオを気持ち悪く使って、このような映画を撮るということ が、すでに何か皮肉というか、映画業界に対する手紙みたいな気がする。それにしても、社会に生きる人間の一代記を、しかも懐古するという行為の痕跡を存分 に残しながら(つまり嘘だとか、忘却だとか、幻覚だとか…が出てくるわけで)描かれているこの映画は本当にスゴい。アメリカ映画にありがちな感動のタッチ で描かれるところの場面が物凄く醜かったりするところなんて最高だと思う。そういう感動の人物伝記描写を維持しつつ、でも手放しにその感動にありつけない 感じが、まさにヒューマンドラマというか、ホーム(FBIの話だけれど)ドラマというか…。
このような、役立たずでイヤな映画を見ていきたいものだ。デレク=ジャーマンとか、園子温とかもイヤな映画だけれど、イーストウッドは、退屈を恐れずに作れる作家だなぁ、と改めて感じた。アイデア一筋でお化け箱みたいな映画もいいけれども、カメラを装置として、外界に解放するものとして使っている映画はどこまでも意味が湧いてくるように出来てくるよなぁ。情報量とは別の何か、現実の何かを映してしまうことを意識するのが、そうさせるのだろうな。そういうのをイーストウッドがやってしまうというのも、小気味いい。映画界の意識に不意打ちをしかけるような企画だと思う。どうも地味で、3D!3D!とか言っている映画界にとって、反時代的で興行収入をある程度度外視した映画かもしれないけれど。どこかの対談で、3D映画は普通に50年前にもはやり、そういうのは今でも地方の遊園地に細々と残っているけれど、ルイス=キャロルが復活させて、フレッシュな映画を提供している。ファンタスマゴリー(幻灯機)からモノクロのサイレント映画になり、カラーの音付きの映画になっているのを見ると、技術というのはどんどん発展していくように見えるけれども、文化史というのは、どんどん回り回って動いているんだろうな。どこぞやのSF作家は、「人間が想像できるものは、全て実現できる」なんてことを言っているけれども、人間が想像できるものなんて、本当は何もないようなものじゃないのだろうか。それでも生きていておもしろいのは、想像力とは関係なく、ただ生きていることがおもしろい訳であって、そういう認識がちゃんとできている人が作る映像というのは、見入ってしまう。想像力は、人間であることの優越感を生み出すことはあるかもしれないけれど、本当は、そういう想像をする人間のほうがおもしろかったりする。

テツオさんはネガポジへ、ライブをしに来たのであった。もちろん、テツオさんのライブを見るのも久しぶりだ。一年前は、よく行ったものだった。「チャイニーズ」など、本当にいい曲だ。 今日聞いてもよかった。

サコさんは、前回見た時よりも、ますますいい曲をつくる。パソコンで作った曲など、DJみたいで、すぐに京都のクラブハウスであるメトロなんかでもプレイできそうな感じだ。クールだなぁ、と思っていたら、高校の時の曲を披露してくれて、キュンキュンしちゃった。うまいなぁ。

この日は、バンバンボリーズの佐伯くんと、OLの子(なんかOLじゃないみたいなことを言っていたけれど)も来ていた。テツオさんは、シベリアから京都に来た男の子を連れてきていたので、その子とも一緒に呑んだ。大いに呑んだので、あまり覚えていないが、OLの子を大いに追いかけたらしい。やっぱり逃げているものを見ると、追いかけたくなるよね!ハハハハハ…。

2/23
 昨日飲み過ぎたのだろうか、それとも緊張のせいか、定食屋さんの「やよい軒」でご飯を食べても、あまり喉を通らず、というか、やっぱり、あきらかに、飲み過ぎたんだろう。 ネガポジには、今ちゃんという、かわいらしい子がいるのだが、商売が上手くなっている。いや、単に僕が普通に呑む欲求が強いだけか。ハハハハハハ!

今日は、私がネガポジでソロでライブをさせてもらうことになったので、やる曲を決め、ひたすら練習をする。俺はマジメやねん。それにしても緊張するなぁ。慣れない。対バンの森上さんは、音楽に本気で取り組んでいて、すごい、という話をよく聞くので、よけいに緊張する。まぁ僕の弾き語りは、緊張の種類が違うのかもしれない。ミスという意味では、僕の曲は最初からミスっているようなものだ。僕の音楽は、他者というか、観客がいて、初めて成り立つような種類の、ある意味頼りない種類のものかもしれないからだ。でも、他者はもしかしたら究極に頼りがいがあるかもしれない。ソクラテスの問答みたいなものだな。ソクラテスも、酒飲んで、酔っぱらって、ダベって、あんな感じになったわけで。ソクラテスか〜。僕もそんな風になりたいけれどな!

今日は、森上さんのレコ発ということで、本当に光栄である。真鍋さんと関戸さんと森上さんに挨拶をする。関戸さんは、「夜よこんにちわ」というバンドで、何度か、バンドで対バンさせて頂いたことがある。そして関戸さんは、しの山さんの企画やフライヤー(ライブ告知のちらし)の絵を描いていることで有名な人であり、近江八幡で個展のようなものを開いたこともある。ウヒャー!

ライブが始まるまで、森上さんとヤマギシ会の話をする。ヤマギシが怖いのは、システムによって支配されているからだ、だけれども、私たちもシステムによって生かされているかもしれなくて、その点がとても気持ち悪く私たちに警鐘を鳴らす存在である、みたいな話をした。森上さんは、ヤマギシの本を読み、リジン症的な経験をしたそうだ。どんだけスゴいんだろう…。

 真鍋さんと関戸さんとマンボウの話をする。マンボウのあのやる気のない飄々とした存在を見ていると、存在が奇妙に浮き上がって見えてきて、自分まで怪しくなりますよね、みたいな話をする。どこをとってもマンボウは奇妙だな。しかも、刺身にすると、おいしいらしい。

僕は二番目に出たので、真鍋さんが、弾き語りをしているのを、ドキドキしながら見た。ああ見えるかも知れないけれど、やっぱり、ドキドキするのです。

僕は二番目に出た。やらかしたといえば、全てがやらかしているみたいなものなので、アレだけれど、僕ができることを精一杯やらせていただいた。ぼくがやっているのは、手紙みたいなもので、作り込むこと、つい働かされてしまうことについてのアジテーションみたいなものかもしれない。 実情は、やはり、どうしようもないのだけれど、よく僕のような人を、出させてくれたものだ。ネガポジはやっぱり、いいハコですね!ご飯もおいしいし、お酒もこだわっています!ここで呑む焼酎は、本当に、うまいんですねぇ〜!本当にすばらしいハコだ…。ネガポジに住みたい!是非みんなで住みましょう!そういうハコです!

関戸さんの弾き語りは、ブルース魂があった。そうはいっても、一筋縄でいかないところが、本当に魅力的だ。僕は緊張から 解き放されたので、ビールをゴクゴク呑んだ。ステージでは、照明が当たるので、思ったよりも喉が渇く。僕が高校の時、マンドリン部をしていた時もそれを思ったものだった。ホールの照明はびっくりするほどキツく、汗をかいてしまい、照明やめてくれー!と思ったものだ。それにしても、市民ホールにあれだけの高校生が集まるなんて、なんだか避難しているみたいだ。高校生ばかりだから、ジュブナイルSFみたいで、バランスも欠いている。楽しかったといえば、楽しかったけれど、緊張したなぁ。

森上さんの弾き語りは、曲の主題を表す為に最大限の力を振り絞り構築されているもので、そこには、楽曲に対して示す責任の全てがあったように思われるようなものがあり、気迫もあった。

ライブ後、大いに呑んだ。今日はしの山さんや、モルグモルマルモのみなさんも、子連れで、来ていただいて、非常にありがたかった。テツオさんも、見にきてくれた。バンバンボリーズの佐伯さんや西村さんも来てくれた。モルグモルマルモのベースのアベさんは、オナニーの後寝てしまい、全てが終わった後に来てくれた。コラ!

大いに呑んでしまったので、あんまりよく覚えてないが、僕はまたアベさんにビールをおごってしまったんじゃないだろうか?しまったなぁ〜。アベさんは、かわいいからなぁ。もしかして、ヒモの才能が、あんじゃないのか!

僕の演奏は、温かく迎えてくれるようなことをみなさんが言ってくださって、本当にありがとうございます!このような弾き語りをするにあたって、大いに示唆を与えてくれたしの山さんに褒められたのが、本当に嬉しかった。音源ないの?とも言ってくれた。ありがとうございます!今日やった新曲はここにあげてあるので、是非ダウンロードして聞いてください!

今日も、OLの子を追いかけ回した!さらにアベさんなど、さまざまな人にいっぱいキスをした。ネガポジに来ているような人は、なんかキスするモードがあるみたいだな!タフな佐伯さんも、一週間連続で仕事終わりにも関わらず呑んでるみたいな節があるが、今日は相当疲れているみたいだ !それでも例のごとくパンツを破り、服を引き裂き、僕が寝ている間に顔に落書きをしたのだった。僕はそのままなか卯に行き、カレーうどんを食ったのだった。

2/24
ねたおした。ウーム!僕はタフじゃないのか…。マラソンでもして、鍛えようと、日頃思うが、鍛えるのは、こういうためにあるのかもしれないな。

寝たおしたが、古本屋に行く。古本屋に小島信夫の初期作品の本がたくさんあって目眩がした。絶妙な値段で、また目眩がした。結局買わなかったのだけれど、買っていたら買っていたで、お金がない訳で、目眩がしそうだ!

家に帰って、友達に排水溝のつまりの解消方法を効く。お風呂の排水溝のつまりが深刻で、この二、三日はとても困っていた。塩酸みたいなやつをかけても、ダメだった。どうすればいいのか困っていて、考え込んでいて、お風呂に入るのも鬱々とした気持ちでいたのだが、どうやら、排水溝にはフタみたいなものがついており、その排水溝の入り口を引き取れば、排水溝の中を掃除することができることに気がついた。まるでコペルニクス的転換だ。ありがたい話だ。

中森くんとお話しする。中森くんもインドに行くらしい。最近インド行く人が増えている。何か世の中が変わるかもしれない。しゅーさんや昆布さんも、中森くんも是非、とんでもない経験に巻き込まれていただきたい。インドは、そういう、経験の層を厚くしてくれるところだ。一種のパラレルワールドだと思った方がいい。日本の常識というか、世界の常識が打ち破られるようなパワーが、そこにはある。町を歩いていると、おばちゃんがインドの国旗をピンで服に指し、金くれ!と言ったりする国だ。根本的に人間の熱気が違う。ブッタガヤで出会った少女がかわいかった。インドの男はガンジャ吸っては寝てばかりでどうしようもない。どうしようもないよ!みたいなことを愚痴っていた。

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