一月の第四週
レポートを書かなくてはならなかったが、ぐうたらな性格のため、本当にギリギリになってしまった。ぼくの友達の谷内くんは、日記で、
僕はぐうたらな人間なので、課題は最後まで残ってしまう人ではある。そのために僕は受けなくてもいいプレッシャーを受けながら、それでもやる気がでずにグ ダグダ過ごすのだが、僕は本当にダメなやつほどダメではなく、つまり常識を持っており、高校生の時は僕は本当に変なやつなのかなぁ、と周りの人たちを見て いるとそんな気持ちになり、恥ずかしいなぁと思いながら過ごしていたのだけれど、周りの人が高校生でなくなった今では僕が一番常識を持ってしまっているこ とに驚き、ああ僕は常識を持っているんだなぁ、と、感服する毎日を過ごしているので、それほどダメなやつではなく、期日までにはやれるのだなぁ、とホッと している。本当に間に合って、良かった…。本当は、間に合わないんじゃないか、と思っていたのだけれど、僕は、良識があるので、ちゃんと間に合うように作 業をすることができたのだ。それも最低限の良識に違いないのだが。だけど、僕に良識があって、本当に良かった…。これで僕は顔を立てることが出来る。でも 僕はぐうたらな人間なので、僕のこの良識で、なんとか僕のぐうたらな人間性をなんとかしたい。借り物でいいから、ぐうたらではなくしたい。借り物という意識がなければ、ぐうたらになることを、ならなくすることは、できないんじゃないか。つまり、人間の本性的には、ぐうたらになりたくないわけではないのであ るのであれば、ぐうたらにならないためには、僕の人間の本性的を使うことは、本性的に効率が悪いので、僕ではない別の人間の本性的なことを装いたい。つまり、僕は、変身したいのです。僕を、僕でなくしたい。僕は誰かになって、何かをしたい。こんなに僕は、たくさんの人にお世話になっているのだから…。と、書いているが、僕もこんな気持ちだ。
レポートを始める前に、友達と回転寿しを食べにいった。友達と回転寿しにいくことなんて久しぶりだ。東京にいると、2は回転寿しが好きだから、回転寿しを食べることは良くあるが、たいてい、回転寿しは一人だ。それなので、東京の回転寿しの100円じゃなさを友達に説明していると、お茶が溢れて来た。給湯ボタンを押しながら、話していたのだ。頭おかしいやつやと思われたくないので、これはつらい。どうしようと思っていたら、友達が店員を呼んで来てくれた。店員さんは、ふきんをくれた。友達は、回転寿しやさんで、バイトをしているのだ。なるほど。さすが女の子。ビールでも呑めば良かったかなぁ。
ROVOを聞きながら物を書く。勝井と山本精一が率いている抽象的クラブミュージックの定番であるROVOを聞いていると、仕事が捗る。何事も、グルーブが大切なのだ。そうしていると、なんとROVOが分かってしまった。山本精一の中でも一番分かりにくいグループだったけど、これから鬼聞きそうな気がするな、と思っていると、いきなりゴミ袋が飛んで来て、びっくりしてしまった。玄関を見ると、あのバンバンボリーズのベースをやっている佐伯さんが立っている。また服をくれるらしい、いつも、ありがとうございます。それにしても、佐伯さん、服持ってるねぇ〜おしゃれさんやね〜という話をする。
そのまま、書き物も終わってないまま、飲み屋に行く。京大の西部講堂裏あたりの、いい感じの居酒屋に行く。いい感じというのは、誤解を与えてしまうかもしれないので、説明すると、町家を改装した、たたみがあってアットホームなんだけれど、裏とかあやしげな照明がピカピカしてるし、お手洗いの手洗うところが女体で、女性器から水が出るせっけいになっているのに壊れていて吹き出してしまって下半身がずぶ濡れになった。そこで、いつものメンバーで呑みまくった。今日「ヒズミ」みたで〜、という人がいて、「ヒズミ」とは、園子温の監督作品じゃないか!なんやねんお前…、僕も見ていこうか、みたいな話をした。なにをしたかは覚えているのだが、あまり覚えていない。
朝起きたら、なんかすごい気持ち悪かった。うどんしか食えん、うどん以外食ったら吐くわ、って言っているのに、天下一品に行き出して、閉まっていたので、牛丼屋さんに行くことになった。そこで、佐伯さんは、ハンバーグとチーズ牛丼を食っていたので、それを見ているだけで吐きそうになって、なんやねんお前、くいしんぼうか!と言ってやった。それにしても、そんなに酒弱くないのに、珍しい。確かに胃は弱い。というか、大学生というのは、偏屈な組織の中に入っているので、いろいろ気を使い、胃が痛くなるものだ。大学生をうらやましがってはいけない。どこに行っても、何もないのだ!その後、佐伯さんとなか卯でうどんを食べて、僕は寝た。
起きてレポートを書いた。それから二日後、古本屋さんのジュウマントンに行った。二割引のセールをしていた。課題ができた開放感で、いろいろ買う。『大友良英のjamjam日記』 保坂和志さんの『草の上の朝食』、山本直樹『blue』あと笙野頼子特集号の雑誌『文藝』と、水村美苗の「日本語が亡びるとき」や、青木淳吾の「このあいだ東京でね」が入っている号 の雑誌『新潮』、迷ったあげく中村光夫の『風俗小説論』講談社文芸文庫の新刊だったから、高かったけど買い、CDは、想い出波止場のライブ編集版の『live&gigs』とか何とか、名前は忘れたのだけれど、そういうのを買おうと思ったらなくて、困った。狙っていたのだが。仕方ないから町田康の『心のユニット』を買う。この本屋で、大塚という人が、コーヒーショップを開いていた。はぇ〜。なんか女の子の客増えてるし、店主のカジさんも浮かばれる。この人も謎が多い人だ。おないぐらいやと思ってたら、一回り以上違うことを最近発見した。もうなにがなんだか…。
御所の横にある、本格的ハンバーガー屋さんで、ハンバーグを食べた。とてもおいしかった…。店内ではマイケルジャクソンがかかっている。ああ、なるほど、アメリカン、と思っていたけれど、ここのハンバーガーは、どちらかというとオールディーズな感じがするからマイケルジャクソンかなぁ?という気もしなくない。すると、ジミヘンになった。ジミヘンは超越してる節があって、もはやアメリカとは関係ない。ブルースだけどね。そう言うと、ジミヘンはロックで、ブルースとか言っている君は何も聞いていないからやめろ、と諭されて、仰天した。ブルースじゃないのか!そりゃここからあるロックの文脈が始まりはするけどさ、ブルースじゃないんだね。あのときは、心臓が止まるかと思った。ジミヘンは、同じブルースマンからのけ者にされたという話は聞く。白人のマーケットでやっていってしまったからだ。かわいそうなジミヘン!自分はどこに帰属するのだろう?そういう議論をスパッと、分かりやすく、チャート式に、分類して、明白にするのは、すばらしいことだとは、思うけれども、無意味だ。無意味なのに、わかりやすい。元々言葉に意味は特にないけれど、意味がないなら、分かりやすい方がいいよね!
家に帰って笙野頼子の小説を読み、興奮した。興奮して、心臓が止まるかと思った。笙野頼子は本当にすごい。すごかったので、友達に連絡した。
a「あいつはスゴい。小島信夫ー藤枝静男の激しい部分を濃縮したような小説やん!確かに、藤枝静男の「田信有楽」に似ている。ポコポコ生まれ、なんかしらんが関係性が出来、すなわち社会ができてくるとことかはそうだな。」
b「それであいつがすごいところは、それら全部結局ゴミやねん。怒りを感じるけどな、全部クズになってるねん。それがやばいねん。」
a「まぁ、ゴミというところはあるな(笑)。しかし、その怒りがまた政治的な何かを孕んだりするわけで、これはマジですごいな。この人が一番偉いかもしれない。文学という制度を変える人は、こいつしかいないんじゃないか。」
b「いやぁ〜。でもこいつは、あかんやろ(笑)。あかんというところが、いいんやけどな。だから、 中原昌也よりすごい可能性はあるな。まぁ、それでも、こいつが変えたら、ダメだろ(笑)。」
a「確かに、読んでいて、これを評価してもいいのか、と思わなくはないな。あまりにも他者を取り込み、システムを取り込み、自分の感情の流れを取り込み、なんか、執念みたいになってる。でも、それがゴミになってるところが本当に面白いねん。変なユーモアがあるんだよな。」
b「女の酷い部分を濃縮還元した感じはするな。そこから出て来るこのスカムさというのは新しいかもしれない。だから、あんまり深入りしたらあかんぞ!」
a「いや〜、でも、俺はこういう女になりたかったなぁ。」
というわけで、笙野頼子は本当に素晴らしい。三重県民の宝だと思う。
そこまでひとつになりたいのか!
返信削除よし。戦争だ
あと、しょうのよりこにはあんまり入れ込んだらあかんぞ
ちゃうやん!ブログやん!しゃあないやん!
返信削除今日おまえがまた女の子たぶらかす夢見たからやめろ。
しょうのよりこは、僕も危険かな、とは思っている。なんだろうな、と思ってると、たぶん彼女はズルくないんだな。そこが怖いんだな。変身が出来ないからな。
ブログ戦争や!
削除