昼下がり、という言葉にはふさわしくないような、底から冷える寒さがいやらしい町を薄く桃色がかったママチャリで走り出し、牛丼屋で食べたくもない牛丼を食べた後、お金を下ろしにいくことを思いつき、近くの町家にある小さな郵便局の方まで戻ることにすると、割と高層なマンションと住宅が何かの塩梅をもって立ち並んでいる通りのところにある中学校の校庭でカラフルなつぎはぎの大きな旗を振る女の子が見えた。旗はピンクと青と黄色が基調となっていて、割とすっきりしている。よく子細を見ると、ごちゃごちゃしている部分もあるが、マジックによるシミなのであろう。普通はそんなことは気づかないほどには、すっきりしている。長方形の旗として結果的に提示されていたが、デザインとしては正方形のつぎはぎで、黄色、青、ピンク、の順で重ねられていた。といっても、ピンクの色に青の滲みがあったわけではないので、おそらくつぎはぎなのではなく、そのようなデザインなのだ。マジックで書いてあるような色なので、例えばピンクは、マジックを想像してもらえば分かるが、きつめの色と言っていいだろうが、全体的に暖色系のこの旗は、目に温かく、励まされているような気がする旗だ。このような正方形のつぎはぎのようなデザインは、何となくモダンな気がするのだが、この際いいかもしれない。シンプルなデザインだが、目を引くには十分だ。例えば、戦場の連絡は、赤と白の旗で行うことがあると思う。旗というのは、それだけで十分なのだ。旗に最低限の自己同一性を呼び覚ますものがあれば。これからさまざまなことに巻き込まれることになるだろうが、強くなれ、旗よ。
俳句
旗振って おめかししてる おんなのこ
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