2012年8月26日日曜日

ぼん

翌日、遠い町に住んでいる友人が、わざわざ僕の住んでいる町まで来てくれるので、お迎いに行った。そのついでに静岡県の藤枝市に立ち寄った。駅は大きく、周りの建物は大きかったので、都会だ、とびっくりしたのだけれど、蓮花寺池公園あたりまでバスに乗ると、そうでもない。小中学生が入り浸りそうな小さなお好み焼き屋さんがある。マンガなんかにでてきてもおかしくない。こういうのが残っているというのが、偉い。住みやすい。

僕たちは、ある人の墓参りをすることにしたのだった。ちょうど通り道にその人の墓があっただけだ。他意はない。ただ、よく小説などで話題になる墓だったので、愛着はある。西村賢太のように、人の墓を自宅に持って帰る、というレベルではない。ただ、やっぱり、愛着はある。頭を丸めたTシャツのおっさんに墓の場所を聞いて、墓を訪ねた。勝見家之墓、と書いてあったはずだ。真っ黒でつやつやしていた。だけれど、お花がカラカラに乾いていた。お盆なのに、と思い、野花を道で見つけて、献花した。お花屋さんがなかったのである。

藤枝静男の小説には、自分の持つ抑えることの出来ない性欲、そして家族の大半が苦しみ死んでいった結核に対する気持ちがコアにある、と言われることが多いように思う。現実は、彼を観念的な意見から遠ざけた。「私小説」だけが残った。そんな人であるから、野花を根こそぎ持っていってお供えしても、喜んでくれる。墓にバケツの水をかけて、合掌した。野花の根っこは、朝鮮人参のようにたくましかった、ささやかな花、かわいい花。


2012年8月18日土曜日

アーカイブ魔

8・14
みなさんキャンプに行ったようですね!雨降ってるけど、楽しんできてください!昨日とおとついの分の日記を書く。

夜になると、谷内くんから連絡が来る。谷内くんは今、バンド「ガセネタ」や「タコ」などでも活躍した批評家の大里俊晴の弟子のワタナベミホの下でバイトをしている男の子である。彼は歌も歌う。少し前に引用した、「化粧」、「霧」という歌を作った人である。僕はそれをオマージュした文章を書いてみたけれど、あまりうまくいかなかったので消したいが、もう遅い。それに僕はアーカイブ魔なので、そういうのもとっておいて思い出にしたい、どうせ死んだら全部一緒で、

全部おもしろいんだ、と思っていると、パソコンが壊れて、僕が高円寺で急性アル中になってフラフラになり、くたばったり吐いたりしたり救急車に乗っている時に友達(=2くん)が撮ってくれた50枚ぐらいのポートレートや、教習所の合宿が辛すぎて、やけになって撮ってくれた写真がすべて消えてしまって、悲しい。この写真を撮ってくれたのも、2くんだ。2くんのお父さん!どちらかというと、僕は2くんのせいで、ボンクラみたいなチンピラになったのですよ!ところで、谷内くんも、少し頭がおかしくて、頭脳破壊してくれて、取り返しがつかない。

谷内くんの歌は、総合すると僕はどうやら山本精一の次によく聞いているようだ。今一番聞いている人は高橋悠治という人だ。聞いてあげてください。谷内君の歌は、売れないかなぁ。テツオさんとフリージャズレコードを作ったら、谷内くんの歌の全集を作りたいぐらいなのだけれど、買ってくれますかね?とりあえず、普通に東京にあるという、エンバンとかに持っていったら、いいのかな?もし、フリージャズレコードを作って、何か谷内くんのアルバムを作ったとしたら、東京から京都へ、

招聘しなくてはいけないのかな。でも彼はシャイだからなぁ…。jandekみたいに、半分覆面みたいにしても、いいと思うけれど。少しおかしい、と書いたけれど、それは言葉のあやで、彼はだいぶおかしい。欲望の前提が、少しおかしい。少しおかしい、と書いたけれど、だいぶおかしい。彼のおかげで、僕は、よけいな欲望や意思を、抱え込まずにすんだ、という面はあるが、それは僕には欲望の前提がおかしい、ということではなくて、僕は誰よりも普通に、自然に欲望を持っている、と思っている。というか、こんなに谷内くんのことを書いていいのかな…?まぁ、中身がないからいいか。谷内くんと徹夜で会話をしたけれど、すべて忘れてしまった。徹夜で大富豪をした。それは谷内くんが指示した。

8・16
いつもお世話になっている、OLの女の子の住んでいるマンションには、屋上がある。私たちが住んでいる町は、京都市であるので、八月十六日には、送り火がある。その屋上には、大文字、妙、法、船、左大文字、が見え、鳥居だけが見えない。よくこの屋上で、月一でバーベキューをするのだけれど、送り火を見るのにこれほど立地のいい場所というのはない。バーベキューに誘われた。約束の時間に部屋に行くと、OLの女の子と、あーちゃんだけがいた。あーちゃんというのは、和歌山出身の、今東京に在住しており、ライブハウスで裸の女の子を登場させた横でつくねを売って、それが意外と本当にお金になってびっくりした、と言っていた、東京では黒人しか友達がいない、ヤバい男の子のあーちゃんではなくて、女の子である。みかんのかんずめを凍らして作ったデザートを振る舞ってくれた。

「アカネイロヒキ」というバンドのドラムをしているコウジロウさんが、わざわざ京都の台所である、錦市場まで、バーベキューをする場所まで、御所を越え三キロぐらいはあるところをおつかいに行ってきてくれたらしいが、お目当てのサザエはなかったらしい。サザエは何かの貝がねじれて、そのDNA構造が伝達されて、今、存在している生物らしい。詳しいことはわからない。抱きしめたが、汗まみれだったので、汗まみれだなぁ、と思って抱いていると、汗まみれだったので、汗まみれだなぁ、と思いながら抱いていることを悟られたのだろうか、汗まみれでしょ、と言ってくれた。確かに、汗をかいているようだった。

たくさんみなさんが集まって来て、みんなでビールを飲んでいると、「ボックスホール」というライブハウスで働いている、東京の大学に在籍していた関東人であるのにわざわざ京都に来てライブハウスのブッキングや企画などをして活躍しているおのまんさんがいらっしゃった。おのまん、というのは、本名らしい。びっくりした。おのまんさんはどこかで見たことのあるような女の子を連れてきたと思ったら、長尾蕗子さんという、僕が昔、ミニマルノイズパンクバンドでギターを弾いていた時、

対バンをした女の子だったようだ。それは、僕が昔、ミニマルノイズパンクバンドの一員だった時だったので、二年ほど前の話だ。またこうして出会うとは思わなかった。僕が彼女の弾き語りを見て、「祈りがある」と僭越ながら、言ったことがあり、そのことをとても大事にしてくださっていたようだ。確かに、そのようなことを、言ったことを覚えている。ライブを見に行く約束をする。バンドやっているんです!ギターで参加してくださいよ!わめいているのも良かったです!

なんておっしゃる。マジで!?あの悪名高いあの僕のノイズギターを?嬉しい。僕のギターはキレキレだったので、神戸のライブハウスでしか、評価されなかった。京都の人は軒並み、あれは悪ったな、と言う。そういう時は、あれは僕も勘違いしてたんすわ〜、と答えるようにしていて、実際その節はあるのだけれど、あながち勘違いではないのだろうか。いや、勘違いだろうな。吉田寮の祭りの時、山梨出身の元カノ(モモコさん)を呼び、ワンダー3というバンドでキーボードとオシュレーターをしたことがあるが、

最後のオシュレーターソロで、痙攣しながらノイズを出していたら、モモコさんは引きまくって、それから二度とライブに来てくれなかったが、そのモモコさんと一緒に来ていた女の子は評価してくれて、CDを買ってくれた。芦屋に住んでいるクラフトワーク好きの女の子で、名前は確かホウさんと言った。長尾さんはどうやら大阪でも活躍しているようである。OLの女の子は変な果物を長尾さんにお土産として渡して、「ぶつけたら酸っぱくなるから、絶対にぶつけたらダメだよ!」と言っていた。おのまんと自転車を二人乗りをして川辺を走り帰っていった、って、今は条例があるから、こういうことを書いては、まずいのか。まぁ、いいか。日記じゃないし。

たくさん食べて、何も入らなくなった。トントロはおいしい。ほたてもうまい。なにもかもうまい。そういう調子で食べていると、何も入らなくなって、苦しい。あのさぁ、おいしい、ということのために、何か語彙をもって話さないといけないのですかね?気が利かないとかなんとか、言ってますが、そんなことのための頭の良さなら、僕はいらないです!と、二ヶ月前ぐらいのことを今書いていて思い出して良くない。こんなに食べたのは、ビアホール以来であるが、「エンパイアめだか」というバンドの主宰であるエンペラーさんは、まだ市販の唐揚げを食べるそうだ。すごい。そこでエンペラーは、

「唐揚げはお酒にも合うし、ご飯も食べれるし、万能だよね!すごい発明だよ!」
「ハハハハハハ!」

こういう会話をした。OLの女の子のタイに行ったときの写真や、友達の結婚式の時の写真や、大学の卒業式の時の写真や、成人式の時の写真を見させてもらう。あまり変わっていない。京都のバンド界隈の人というのはみんな若くて、みんな僕と同い年みたいに見える。さすがに成人式の時の写真は、ちょっと違った。そういうことを言うと、喜んでいた。四時ぐらいまで居着いた。半身浴をして寝た。

8•17
なんかものすごく寝てしまって、気づけば夕方。これはやばいなぁ。何か食べにいこうと思い、外に出ると、テツオさんと源さんに出会い、そのままつきなみに行く。つきなみは、アレクサンダースやヤングマイルドチャイニーズで活躍されている昆布さんがやっている喫茶店です。今日の昆布さんは取っ付きやすくて、よかった。ご飯ものをしばらく自粛している、というので、コンビニで焼き肉弁当を食べる。何も食べていなかったのだ。源さんは今日は特に調子がいい。雷が鳴りだした。雨が降られると、困る。テツオさんと元田中のうどん屋で飲んでいたそうだ。そのうどん屋なら、僕はある人と何回か行ったことがある。なので、安くておいしい店だな、ビビンバうどんがあるんだな、という風な話も、僕は分かる。あそこにソバがあるということや、店主がおやじロックフェスティバルで関西地区一位通過であるということは、知らなかった。「おやじロックフェスティバル」というフェスの名前は、もしかしたら違うかもしれない。

八時ごろになると、林拓さんと鴨川でセッションをする。最近「ユリシーズ」というアシッドフォーク?の雑誌や、ガケ書房などで取り上げられていて、話題沸騰しているような気がする。ケイブンシャという京都ではわりかし有名で東京の人までその名前を知っている人がいて困るが、本屋である。その本屋の近くの町内会の掲示板に林拓さんのポスターが張ってあって、なんだか風景が違う。僕は誇らしい。名古屋の「ブラジルコーヒー」という喫茶店で、僕はアレクサンダースに混じってハーモニカやドラを演奏した。一緒に呼ばれた林拓さんが、どうやらその僕の演奏を気に入ってくれたみたいで、セッションをすることになった。どうやらそのときの動画があがっているみたいで、形になって嬉しい。


雷が鳴っていたこともあり、セッションは叙事詩の中みたいだった。なんかこのようなことをどこかで書いたような気がするが、どうやらツイッターでそのようなことをつぶやいていたみたい。大澤信亮(おおさわのぶあき)は、著書『神的批評』に於いて、柳田國男という人を論じる程で、歌についてこう述べている。
すでにあった歌は協働のなかで複雑化していく。そして声が生まれる。声を発せられる者が歌うのではない。逆だ。歌が先にある。いや複数の歌がある。それが協動作業の中で声へと一元化されていく。(略)たとえばルソーは、音声言語の誕生について、神が人間に話すことを教えたとか、神の摂理が人間同士を近づけたと言った。神かどうかは知らないが、家族的に歌われていただろう初期の人類の歌は、他者との出会いのなかで声へとかたちを変えた。より正確には「歌」と「声」に分かれた。しかし、かたちを変えたところで、私たちの情動を激しく揺さぶったり、安堵させたりする言葉の力は変わらない。
歌は声に先立ち、歌の情緒性が、人への働きかけ(ex労働)を発達させた、と言っている。そしてそのような叙情性を秘めて出来た、言葉はどこへ向かうのか。
言葉は「私」のためにあるものでも「社会」のためにあるものでもない。
神のためにある。それは「私」や「社会」による所有を超えて永遠に開かれている。(略)
しかしそれでも彼(注、柳田)の原理には限界があるのかもしれない。
なぜなら現実を覚醒させるためには「他者」が不可欠だからだ。
目の前の他者との協働 が、すでにそこにあった歌を「声」に変えた。
文字という他者との協働が、すでにそこにあった声を「言葉」に変えた。
資本という他者との協働が、すでにそこにあった話し言葉と書き言葉を一つの個体の内部に統合し、それによって一人の人間を近代的主体としての「私」へと変えた。
それでは、今ここにいる私が生まれ変わるための協働とは何か、他者とは何か。
ちっぽけで、どうやっても、お金も、楽しみも、人も、車窓の風景も、結局ほとんど何も所有できず捕われてしまっている「私」 が、生まれ変わるために必要な協働とは、何か。私が決して所有できないものに対して向かっていくのか。それが、「永遠」であったり、「大地」であったり、「普遍性」だったりするのではないのか。イスラームの神すなわちアッラーは、無数の贈り名があり、無数の属性があるが、それは「永遠」であったり、なんだったりする。まぁ全てなんだが。そういう圧倒的他者に対する想像力として、神という概念はもしかしたら、役に立つのかもしれない。神は私たちと共にある。まぁ、何を言ったって、圧倒的な「自然」や「現実」には、ちっぽけな私にはかなうはずかない。僕は何を言っているのだ?何となく、昆布さんが、「批評家の言ってること違うねん!林拓の歌にはもっと生活から出てきた歌っちゅうのがあんねん!」って言ってたことを思い出す。林拓さんのアルバムは『オデュッセイア』と言う。普段は林業や農業をしたりして働いており、子供がいる。歌ってのはとてもフランクで、神は別に神秘的なものでも何でもないのかもしれない。歌のことばかり考えていても、仕方がない。そんなことしなくても、生き方に、歌は勝手についてくる。流れるだけ。他者を所有しようとしても、所有できない。ただ、俺には歌しかない!だとか歌のために死ねる!だとか、歌のために何もかも捨てる!だとか言っていると、必死にもなれ、歌を量産するモチベーションにはなるかもしれないので、したければすればいい。だが、それは特に善であるわけでもないし、特別満ち足りる道である訳でもなければ、音楽をしている人の使命でもない。(坂口安吾は、おもしろいと思うけれど、人を頓死に向かわしているように見える。)そう思っているので、自然や生活に従いながらなんかすごい歌を歌う林拓さんには、勇気をもらうのだ!
我が青春は淪落だ、と僕が言った。然して、淪落とは、右のごときものである。即ち、現実の中に奇蹟を追うこと、これである。この世界は永遠に家族とは相容れぬ。破滅か、然らずんばーー嗚呼、然し、破滅以外の何物が有り得るか!何物が有り得ても、恐らく満ち足りることが有り得ないのだ。(坂口安吾「青春論」)
そんな青春は僕はいらない。だが、何かを量産するエンジンにはなるかもしれないので、そういう考えもありだとは思う。…。うわぁ、僕何か、ヤバいこと言ってない?

2012年8月14日火曜日

屯風

8•12
東京から来た友達を見送りに京都駅までついていく。京都駅で何か珍しモノを食べようと、オムライスを食べる。最近では、子供のときに避けていたものを食べるのが快感になりつつあり、こないだも、ハンバーグを作ったのだった。こころなしかぐしゃぐしゃで不格好になってしまったが…。おいしいんだけどな〜!ソースも作って、しかも豆腐ハンバーグなのだ。豆腐は偉大だ。僕の住んでいる町は、豆腐がおいしいことで有名であり、この半年で、いろんなものを食べさせてもらい、変に舌が肥えた僕は、カップラーメンのかわりに、豆腐一丁を食べることにしている。友達はヨーグルトストロベリーワッフルなるものを食べた。

友達がいなくなり、手持ち無沙汰になったので、テツオちゃんに電話をかける。ちょうど飲んでいたみたいだ。はっはーん。百万遍へ。百万遍には、牛丼屋の上に妙なビルがあり、そこは飲み屋でひしめき合っている。いいビルだ!そこの三階に、屯風という店がある。泡盛を飲んで、ベロベロになった昆布さんを、ここで見かけたことがある気がして、この店を思い出した。そうそう、島尾の『死の棘』の読書会していた店主の店だ!たどり着くと、日本文学を研究をしにハンガリーからやってきた大学院生であるジュジと、テツオさんのバンド「風の又サニー」においてチューバを吹いていらっしゃる柴田さんがちょうどついたところらしい。早く頼め、と言われて、

テツオさんと同じサケロックというものを試してみる。これがまたいいんですね〜!要するに日本酒のロックな訳なのだが、これが意外に合う!っていうか、サケロックって普通にバンドのみの存在なのだと思っていた。いますよね、サケロックってバンド!出てくる料理も一級品で、きゅうりのたたき、であるとか、おいしいのである。柴田さんが、西京漬を頼もう!と言うと、テツオさんは、西京漬は、世の中で一番おいしい料理だからな!とおっしゃる。果たして出てきたカレイの西京漬は、やはりおいしかった…。なんてったって、世界で一番おいしい料理だからな!とおっしゃる。サケロックがすすむのである。


酔いも回り、柴田さんにおもいっきり絡む。肩とか組んだりする。柴田さんはそういうのが割と好きだったみたいで、盛り上がる。テツオさんはそれを見て、バットグルーヴだ!とかなんとか。…なんだか僕の周りの人どんどんチンピラ化していないか!?柴田さんは吹奏楽部のコーチをすることもあり、よく女子校になんか言っちゃったりするみたいだが、そのあたりのいろいろな話を聞かせてもらう。話し合わん!とか。まぁそうだろうな〜。僕なんかおないでも怪しい。なんか見た顔がいるな、と思ったら、吉田の寮祭で会ったことがある

地質学の研究をしている島根県出身の男の子にテツオさんが絡まれている。この子は実は今事業を起こしたらしく、社長さんだ。社長さんが、社員さんを引き連れて飲みにきている、が、全然そんな風には見えない!寮祭のノリだ。ディープキスなどして盛り上がる。

8•13
ところで、牛丼を食べに自転車走ってきたけれど、子供が多いね!少子化なんか嘘なんじゃない?吉野家に行き、牛丼にネギ玉頼んで、食べてきました。寒い!空調機器過ぎじゃない?ガケ書房もついでによってみて、小島信夫の『小説家の日々』があったので、これから買ってこようかな。あそこらへんは、いい銭湯もあるしね!なんかすごくお金がないんだけども…。昨日そんなに飲んだのかな?

ところで、といえば、僕の論文の草稿を先生が読んでくださったのだけれど、「ところで」という接続詞は、こうこうこうなってこうなることが証明できる、という道筋をたどる論理的思考をしなければいけない、という論文に於いては説得力に欠ける、とおっしゃった。確かに突然な接続詞だと思う。突然なことしか起こらないが!


昨日カジさんから買った、保坂和志さんの『カフカ練習帳』をポロポロ拾い読みする。まさに、この本は、拾い読みするための本である。断片集だからね!こっそり拾い読みをするのが、好きなので、この本は本当に楽しい!『カフカ練習帳』と、ある人から借りた、リンギスの『何も共有していない者たちの共同体』を交互に読む。その間に手紙も書く。


今日は楽しみにしていた、カレルさんと昆布さんの弾き語り対決が見れるというので!ライブハウスのネガポジに行ってきた。もういっぺん言うけれど、僕、そんなに飲みましたか?六千円ぐらいは、持ってきたはずなんだけど!

カレルちゃんがイカすシャツをくれた!黒く、混沌としていて、よく見るとヒョウ柄の、シャツで、イナセだ。自慢げにネガポジの店員に見せたら、チンピラやん!って言われた。ネガポジの店員ってのは、生意気だな!今頃、福井県でキャンプをしているみたいだけれど、雨降ってないといいね!ナハハハハ!今日のブッキング良かった!!ネガポジにしては、実は珍しいブッキングなんじゃないか。カイトさんは色気があってよかった。

いつの間にか来たテツオさんが、夜やね、と言うていた。サザンオールスターズの「サウダージ〜真冬の蜃気楼」を歌詞を変えてカバーしていたり、イナセだ。「普通でやるとかなわんから」と言うている船田はじめ(昆布)。二番目だ。ステージの上であぐらをかいて、しかもエレキを飄然と持っているので、思わず笑ってしまった。しつこいぐらい緑の

照明に当てられている。エレキギターの特性を熟知しているようなエレキギターを弾いていた。出てしまった音を、大切にするという、そういうの好きだ!(ちょっとエラッそうかね?)三番目の山元大造さんも素晴らしかった。一曲目は言葉を疑う歌を歌っていた。二曲目に映画館が消えた歌を歌っていた。最後のフレーズがすごく良くて、

これだけは覚えておこう、と思ったのだけれど、忘れてしまった。「おっさん」という、選挙に出て負けてしまった、なんか家にいたおっさんの歌を歌っていた。カレルさんはトリだった。今回のカレルさんは、なんだか鬼気迫っていたように思える!テツオさんは、PA遊んでるな〜!と感心していたので、その相乗効果なのかもしれない。とにかく迫力があった!うぬ〜。えぐり出すなぁ。声も歌も!

子供のままじゃ僕らは楽しい遊びも知らずに
砂の城を作り続けるだけ
テーブルの上でじゃれあう二人はいつも子供のまま
楽しい夢だけ見ているんだね 
悪い子供いい大人
あともうちょっとだけ、引用、させてください!

大人になれば誰もが正しい判断を見繕うのさ
欺瞞に満ちた不都合な利己心を取り繕うために
テーブルの上に並べたおもちゃはやはり子供のまま
楽しい夢さえ見られないんだね! 
ここで見れる!

これは、ケンカだ!すっごい力を持ったケンカだ!聞かしてやりてぇよ!あの人によ!

ネガポジのみんなは、海にいっていたらしく、ナンパの話などをしているのを聞いていると、いつのまにか寝てしまった。朝目が覚めたら、ネガポジで、昆布さんはソファーで寝ていた。外は雨だった。ナハハハハ!傘借りて帰る!


2012年8月12日日曜日

古本祭り

8•9
最近では、僕のCDのジャケットの写真を撮ってくれたことでおなじみの2くんが、大富豪をしよう、というので、ネットで大富豪をする。全く、いつまでこんなことが続くのであろうか…。結局一日中大富豪をしてしまったような気がする。なんだこれは!?話によると、明日京都に来るらしい。

8•10
ビアガーデン
2くんを京都駅まで迎えにいく。そのまま、とある人に教えてもらった、焼き肉屋さんに行こうとするけれど、2くんは、なか卯でいい、と言う。なか卯で食べて、映画を見よう!そういえばカウリスマキの特集やってるで!とある人が教えてくれた。が、やっていなかったのでビアガーデンに行くことになった。ビアガーデンというのは、ホテルの屋上で、食べ放題であるし、飲み放題であるし、ドレスを着た女の子がいたり、サラリーマンがたくさんいたり、すごくきれいに笑う女の子が黒いドレスを着ていたり、自動でビールを生で入れてくれる機械があったり、享楽の地である。何の因果だろう。ツイッターで、とある一行が昨日、ビアガーデンで飲んでいて、いいなぁ、と思った次の日に、ここに来ることになるとは!ジンギスカンを食べながら、2くんが持ってきてくれた、シオランの『崩壊概論』を読み合う。
私は儀礼上人生を受け入れる。 永久の反乱は自殺の崇高さと同様に悪趣味だからである。
吐くほど食べ、吐くほど飲んだ。飽食ニッポン!うえぇええぇぇえぇええぇえぇぇぇぇ!

8・11
2くんは、どうやら、上賀茂神社の古本祭りを目当てに来たらしい。だが、昨夜は、いろいろあったので、眠れずにいると、僕が眠れないために2くんも眠れずに、ピリピリして2くんは余計に眠れなくなる。九時頃に出かけると、湿度がすごくて、湿度が八十パーセントは確実に超えているような、すごい湿度だったので、水の中を泳いでいるみたいだった。まるで水中遊泳だ。古本祭りの初日というのは、古本マニアの初老のオタクが、買う本に目星をつけて、古本祭り開始まで、今か今かと待ち受けている。はじめのはじめにくると、こんな風景になるのか…。「ここは、古本祭りの甲子園やからな!」どこからか聞こえてきた。なんだと!2くんに指示された、『私の博物誌』という詩集を取るため、スタンバイする。始まる。パッて取るつもりが、横で目星をつけていた、

本当にすごく恰幅のいいおじさんが掴み、取り合いのようになる。なんと激しい…。結局、一冊譲った。ついでに、ベケットの「マウロンは死ぬ」の入った、講談社の世界文学全集の一冊を買ってもらう。一通り古本の屋台を回ったが、これぐらいのものだった。おそらく、ジメジメして、古本を見る目がショボショボしてしまったのだ。東京から来た2くんの友達の藤田くんは、雨が降ると頭痛がするらしいので、夢のようと2くんが形容するような湿気に苦しんでおられたが、最初の古本の屋台でびっくりするほど詩集があったので、はじめはものすごく興奮したものだ。(本当にびっくりするほど詩集があった。一面詩集だった。古本屋では、普通は、こんなことはない。)2くんと藤田くんは古本屋をやろうとしている。藤田君は「スカート」というバンドのベースの人とバンドを組んでおり、なのですごくギターがうまく、一度聴いた曲をすぐに再現することができる。モルグモルマルモのサトタツもご満悦の、音楽紹介コーナー?、今回は「スカート」!


湿気にやられたのもあり、だいぶ鬱々としていたけれど、古本屋巡りを続けることにする。「はんのき」さんと、「カライモブックス」に行く。「はんのき」は、いわばシェア古本屋であり、三人が共同経営して町家で店を構えている。なんとなくその一人と面識があり、この前ブックオフで見かけた時大喜びで再会したのだけれど、面白いことを言われて、やはり面白くて、面白かったので肩を叩いたらビクッってしたりして、かわいい。「カライモブックス」は、夫婦でやっている古本屋で、2歳程度のお子さんがいる、最もアットホームな古本屋である。少し前は、居住スペースらしき所も古本の棚がぎっしりおいてあり、上がり込むことができた。「本当にうちの子は現代的だよね〜!ほら、ミニマルミュージックで踊りだした!」かわいいなぁ。うーん。うらやましいなぁ。で、あるが、ジャック=ラカンの『エクリ』の三巻本なんかもある、攻める古本屋でもある。とりのすけでキャベツをひたすらついばみながら1000円で飲む。

8•12
今日はなんか2くんが元気で、早くから起きていたらしい。早く古本祭りいこよ!ベケットの『ワット』買いにいこよ!とかおおはしゃぎ。『ワット』はなかったけどな!かわりに、『しあわせな日々』が入っているベケットの戯曲集を買う。『しあわせな日々』というのは、小島信夫の『うるわしき日々』のタイトルの元ネタとなった戯曲であり、主人公の女の子は土に埋まりながら話しまくる。謙虚だ!

上賀茂神社の近くに、カジ鴨神社の古本祭りがやっていた。カジ鴨神社のカジさんに久しぶりに会えて、ほころぶ。保坂和志の新刊同然の小説(?)『カフカ式練習帳』と、『尾崎放哉随筆集』が、安くで売っていたので、買う。ちょうど、そこに先日ヤングマイルドチャイニーズで活躍していた昆布さんに出会う。昆布さんと2くんと会合するっていうのは、何となく不思議なものだ。2くんは、高校からの付き合いであるが、今は東京にいるので、主にスカイプでしか連絡はとれないので、バーチャルの人間かと思ってしまう節がある。カジ鴨神社の会場になっている、ユーゲという喫茶店で、いっしょにジンジャエールを飲む。このジンジャエールには、本当にしょうがが入っている。すばらしい。

2くんとポエトリーリーディングまがいのことをする。2くんとは、「koとり」、「ウソツキ」、そして「菅野満子」といった、ユニットを組んで来た歴史があり、今は、「菅野満子」である。




2012年8月10日金曜日

八月の現状

8・1
先日、ライブハウスでレコ初をさせていただきました。遅ればせながら、ありがとう。皆様のお陰です。五月、六月あたりで、痔を発症したあたりから、僕はなにやら違う病を抱えてしまったようで、不調だ、不調だ、と言われ続けていたのですが、エゾエさんがほめてくださって、挽回できて、よかった。

後日(後日というのは、今日(8・1)のことだが)昆布さんも僕のことを褒めてくださったことを知り、あまりそういうことを言う人ではない人だったので、ますます、よかった。精進します。

そのレコ初では、「ボム」というガールズバンドと、奄美から呼ばせていただいたありちゃんという人が率いる「庭」というデュオを呼ばせていただいて、演奏していただいて、お祝いしていただいて、とてもうれしかった。

ニルヴァーナというバンドのレコメンドだった、シンガーソイングライターのダニエルジョンストンは、躁鬱病であるが、『WHY ME?』というアルバムがある。訳をすると「なんで私が?」というタイトルだけれど、私はこのアルバムを聞いたことがないはずだ。そのありちゃんたちと、山に入って、たき火をした。

譜面台のライト。
クリップを取り外して、カンカンに入れて使っていた
風の又サニーのテツオさんがお迎えをしてくれた。山を登っていると、源さんがいた。暗い中、譜面台につける明かりをを手に持ち、山を登っていた。光源がくにゃっとしおれて、チョウチンアンコウみたいだった。たき火の会場には、日本文学を研究しているジュジさんがいた。この人にも、よく会う。

一緒に小枝を拾った。マキとして、火にくべるためだ。なるほど、火は燃え盛った。火であぶるソーセージがとてもおいしかったので、じゃかいもにしても、とてもおいしかったわけで、キノコなんかもおいしくて、「これはどこで買ってきたのですか?」と聞いたらありちゃんは「安もん、安もん」というニュアンスの言葉を言った。やっぱりIHクッキングヒーターじゃ、ダメね、と僕が言う。僕の家には、ガスがない。たき火に炙ると、薫りがつくのだ。

テツオさんは、ギターを弾くので、ギターを何本も持っている。今日はギターを持ってきた。クラシックギターを持ってきた。クラシックギターで、源さんは歌い、源さんとテツオさんを引き合わせたという男の子がボブディランを歌っていた。その男の子が彼らを引き合わせたとき、その男の子は高校生だったという。すごい。僕の一つ年下だ。僕の一つ年下の年代の人は、みんなしっかりしていて、僕が高校生だったときは、ギターマンドリン部だったのだけれど、一つ年下の後輩がしっかりしていたので、いつも糾弾されたり、ケンカばかりしていた。時には一丸となって、顧問の先生を取り囲んで、裁判のようなことをした。もう、一つ年下の人とは、しばらく会うことはないだろう、と思っていたのだけれど、よく会う。すごく印象的な姿で。僕の年は、本当にみんなちゃんとしていなくて、ちゃんとしている人を見たことがないので、申し訳ない。そういえば先日、ギターマンドリン部の高校生から電話がかかってきた。マンドリンのパートリーダーが男の子というのは珍しいことなのだが、僕も実はそうなのだが、初々しい。少ししっかりしていないが、それは僕もそうだった。今でもそうだ。マンドリンのパートリーダーが男の子、というのは、例年、変わった人が多い。OBを見ていたら、わかる。そのこともかなわない。僕みたいな小市民で想像力のない普通の発想しかできない人間としては、尊敬さえすることもある。そんな僕は、今現在、チンピラみたいな生活をしてるじゃないか!どうしてこうなるんだ!ありちゃんは僕の曲の中で「ひる」をリクエストしていただき、歌わせていただいた。こんな歌詞だ。
今日も同じ昼だ
今日も同じ昼だ
さぁ、どうしようか
さぁ、どうしようか
これが八分ほど続く。レコ初でも、やらせていただきました。いなちゃんが、とても褒めてくれて、「みんなのうたで、いける!」と珍しくテンションをあげておられた。ありちゃんは、それを、覚えていたのだろう。男の子が、「今は夜ですよ」と言ってくれたので、
今日も同じ夜だ
今日も同じ夜だ
さぁ、どうしようか
さぁ、どうしようか
という歌詞に、途中から変えた。レコ初では、 昼でやったように覚えているが、録音機がないために、人からの証言をとるしかない。ありちゃんにもリクエストさせていただいた。「半分だけ愛してくれる歌歌ってよ!」というようなことを言ったら、歌ってくれた。

月が窓から半分のぞき
グラスにお酒が半分あるの
海は今夜もまっくらくらで
幸せ気分が半減するの(…)
テツオさんが、「プロデュースしようよ!レーベルつくってさ!」と提案してくれた。そのアイデア、すごくいいじゃない!僕、文章書くよ書くよ! 上に月があって、淡い雲がいい感じで、どうやら台風がきているらしく、流れが速い。惚けて立ち尽くして見ている。男の子の家は和紙で作った間接照明があり、そもそも部屋が畳で木造で、ソファーがあり、お酒(ワイン、焼酎、他)もあり、とても心地よくて、心地よいと思ったら、眠ってしまった。ありちゃんもテツオさんも帰ってしまった。源さんに起こされて、帰っていった。家は、山の中腹にある。ありちゃんは、どうやら、骨にひびが入ってしまったらしい。心配だ。明日(8・2)、奄美に帰るという。

8・2

源さんから電話がかかってきた。ーーー昨日から、シャラポアくんを意識してしまっているので、今日飲もうよ!という風な電話をいただいて、小一時間後に私の家に、発泡酒を片手にいらっしゃった。ある人に、そのことを自慢すると、「セロリや大根、きゅうりなど、旬の野菜をスティックにしておもてなししなさい」と言われたので、はじめっからスティックのようなきゅうりを私は洗った。そのまま出した。果たして、源さんは「なんちゃらホルモー(これは僕が失念したのです)」の世界みたいでいいじゃない!というようなことをおっしゃり、満足してくれて、よかった!そのまま、鴨川に行き、氷屋の仕事帰りのテツオちゃんと合流し、一緒に飲んだのだが、酔っぱらいすぎて、あまり覚えていない。家にある甘い甘い日本酒がダメだったか…。僕は、変な電話をかけてしまったそうだ。またしちゃった!まぁ、とにかく楽しい夏だ。

8・6

かねてから約束をしていて、楽しみにしていた、リンダさんの弾き語りを見に行った。OLの女の子と、モルグモルマルモの藤谷さんが来ていて、藤谷さんは、子連れだ。今日は高相さんブッキングだったらしく、人選が渋い。渋い中にユーモアがある、という感じで、いかにも文芸春秋を読むようなオヤジが好きそうなブッキングだった。高相さんは話が面白いので、二時ぐらいまで、お話をさせていただいた。アドレスも聞かせていただいた。また、ウォーラスなどといったバンドなどで活躍をされている、ゴローさんのメールアドレスも聞かせていただいた。高相さんが帰った後、白黒ミドリでドラムを叩いていて、レコ初の時には「シャラポアスペシャルバンド」といって、そのようなバンドを組ませていただいたのですが、その時にドラムをしていただいたドラマーでもある、今ちゃん(今上)と、恋愛についての話をしたような気がする。リンダさんの弾き語りは、夜店をイメージしたということで、布でヨーヨーをつくっていらっしゃって、私も余っているものを一つもらった。みなさん、浴衣がきれいだったので、ゴローさんに、「おまえ(私)は浴衣じゃないんかい!」と一言いただいた。着付けができればなぁ〜。そもそも、和服がないじゃないか!三年前中野(東京の)に行ったとき、ユニクロがあったので、そこで和服を買おうか、迷ったことはあった。

8・7

2くん(僕のcdのジャケットを作ってくれた人だ)とネットで大富豪をずっとしていた。大富豪というゲームは、無駄で、イライラし、ネットなので、なにもならないゲームなのだが、とりあえず没頭でき、何も考えなくていいので、ついついやってしまうが、やっぱり、いい札がこないと(理不尽なぐらいこない時がある)イライラするので、精神衛生上は、かえって、よくないんじゃないか、と思うことはあっても、ついついやってしまう。

鴨川では、カッパが出たそうだ。カッパの写真が800人近くにRetweetされていたそうで、おもしろい。どうやら、僕がごひいきにしているバンドである、テレフォニアの企画のためだそうで、八月の三十一日に、京都祇園のシルバーウィングスというライブハウスで、そのドキュメンタリーが放送される。

8・8

マックがついに壊れた。五年も使っていたから、立派なものだ。しかし、突然、これほどまでに完膚なく壊れたというのも、初めてのような気がする。友達に相談すると、滋賀県草津市に安いマックを売っている店があるというのを聞き、あっさり買った。あっさり買ったが、高い買い物だった。僕は普段飲み代しかお金を使わない。

木屋町のアバンギルドで、昆布さんやテツオさんがやっているバンド、「ヤングマイルドチャイニーズ(young mild chinese=YMC)」のライブがあったので、嬉々として行った。とてもよかった。進化している。よく昆布さんの喫茶店で会わせていただいているバイオリンとアコーディオンを弾く女の子が参加していて、それがとてもジプシーっぽくて、生き生きとした音楽を楽しませてもらった。きっと、カレルさんのベースとも合うだろうに。テツオさんのギターはアドリブであり、効果的なところにエレキが聞こえるから、ニクい。昆布さんの歌は前渡された音源よりも、今日のほうが、断然よく聞こえるのだった。

びっくりしたのは、私のゼミの元TA(=teaching assistant)をなさっていた人が、トリをつとめていたことだ。怖いぐらいすばらしかった。それは怖いということであるが。それにしても、あのチェロの人は、どこで見つけてきたのだろうか。ものすごくすばらしかった。おそらく、いろんな音楽を、聞き込んでいるのではないだろうか。絶妙なバランス感覚である。いつなし崩しになってもおかしくないチェロなのだが…。

ジュジもいたが、テツオさんと昔住んでいたことのある、ワタナベさんも来ていた。噂は聞いていたが、ワタナベさんと会うのは初めてだったので、あえて本当にうれしい。かわいらしい人であるが、卒論は、佐藤春夫だそうだ。鎌倉で美容師の修行を積むはずが、いろいろあって、帰ってきたらしい。ともかく、嬉しいことだ。よろしくお願いします、と言っていると、よくテツオさんからお話を伺っております、とおっしゃった。なんと!

アバンギルドで、ビール四本とテキーラ二杯ほど空けたので、割と酔っぱらった。なんなら、最初の一杯で、酔っぱらっていた。ジュジとワタナベさんとで、小島信夫の話を性懲りもなく、する。カウリスマキの映画見に行こうよ!横浜のフェスにテツオさんの自動車で行こうよ!など、いろんな計画をたてた。小島信夫の『残光』をプレゼントする約束もした。400円ぐらいで買えるが、二人に買うと、800円だ!しまったか!?風の又サニーは合宿をするらしく、みんなでペンションを借りよう、という話をした。それが超絶安くて、広そう。大原のさらに奥でやるらしい。楽しみである。テツオさんが、「アバンギルドで弾き語りしたら?」とおっしゃってくれたのだけれど、音源を持ってくるのを忘れてしまった。うかつだった。またよろしくお願いします。テツオさんは珍しくベロベロに酔っぱらっていて、アバンギルドで寝たり、帰り道にこけたりなんかしていた。ワタナベさんがついているから、まぁ、大丈夫だろう。レーベル作ろうよ!テツオさんが着ていたTシャツはフリージャズと書いてあって、素敵な自作だ。レーベル作りの一環としてまず、これを作った、というようなことを言っていた。よし!軌道に乗ったバイ!サニコンの梅ちゃん!九州から見守ってくれ!あと、住所を教えてくれ!