2012年7月24日火曜日

化粧

友達の大学生の女の子と哲学のテスト勉強をしにミスタードーナッツに行ってきた。歴史哲学でしょ〜、それなら私去年、とってたよ、なんか知らないけれど、無事いい成績をおさめることができました。先生はスペイン人で、こんな日本のk市で教えているところを見ると、西田だとか、河上だとかを勉強しているのだろうか(あまり知らない)。ロボット工学を学んでいると、哲学をやる必要性が生じて、哲学の道に行った、という、理系からの先生だったことを覚えている。逆に言えば、それしか覚えていない。あれも覚えている。歴史は英語ではhistoryと言う。物語は英語でstoryと言う。確か、フランス語では、区別がつかなかったはずだ。フランスでは、シルブプレと言えば、100通りも意味があるので、とりあえずシルブプレと言っておけばいい、ということを聞いたことがある。フランスへ修行に行く、お世話になった、きりっとした顔を持つ、尺八の奏者に、教えてあげれば、良かった。

歴史哲学のプリントをごっそりなくしていたらしいので、あげる。ありがとう!でもなんかちょっと違う…。後期の方のプリントを見せて!去年の後期は一体、何をしていたのだろう…。どこまで遠いところにいってしまったのか。ミスタードーナッツでは、コーヒーがおかわり自由なので、利用するが、コーヒーを飲み過ぎると、くちびるが血っぽくなる。「私、痔なんだよ!」というと、同情してくれて、それは生理みたいなもの?と聞いて、生理の話を話しはじめた。生理の状態になると、人それぞれ違いがあり、彼女は少し元気になるらしい。「保母さんに、なろうかな」と言うけれど、保母の時給は800円程度らしく、そのために資格をとる気が凪いだ。君は転部して、転部試験に受かり、単位もとれているので、賢いんだろうけれど、そういう種の賢い人って、どうしようもなくなるよね、と言われた。いやぁ!賢いだなんて!どうしよう…。そうやって、周りのみんなはみんなヒモみたいになり、キャバ(キャバクラ)ではなくても、ラウンジで働いている(ラウンジの意味がよく分からない)。公務員のところに転がり込んでいる人もいるようだ。そういう女の子は一様に独特のオーラを発していて、昼か夜か、で言うと、夜だ。そういう人しか見ないが、全体としてそんなことはなくて、たぶん公務員の人は昼、なんじゃないのかなぁ、と思う。古井由吉の小説に出てくる、養ってくれる女の子も、なんかまじめそうだし。実際にまだ、見た事はない。勉強もせず、話ばかりする。お父さんの話に移る。

お父さんは、家のことをなんでもする。家事があれば、それをして、家事が終わっても、何かすることを探し、何かする。先日家に帰れば、台所のテーブルにガチャガチャのプラレールが立派に組み立てられていて、ジオラマと化していた。自分の部屋にはたくさんシールが張ってあり、カーテンやふとんも変わっていて、なんだかすごく「女の子の部屋」になっていたそうだ。 父は教職員なのだが、そんな風なので、妻はやることがなく、疲れた目で動きまわる夫を見ている。いつの間にか、料理も作らなくなった。娘は寝たきりになった。

川辺に行き、勉強しよう、ということになったけれど、寝転んだ。友達はドイツ語の勉強をしている。あまりにも気持ちがいいので、川ばっかみていると、空がとてつもなく大きくて、パノラマ写真とか、そういう類いのものが吹っ飛ぶような大きさで、なおかつ確かな質感をもって目に飛び込んできたので、世界が大きくなった、と思い、「すごい空だね」と言ったけれど、伝わらなかった。今考えても、とてつもなく大きくて、世界が急に大きくなって見えた、と思うのだけれど、そういうことを伝えるのに言葉はあまり向いていなくて、この文章を書く事もずっと躊躇していたけれど、まあいいや。書いちゃった。

娘は寝たきりになった、と言ったけれど、それは本当に寝たきりになったことがある、ということです。本当です。娘は病弱な所があるので、学校も休みがちで、あまり単位もとれていない。ただし、お酒を飲むのは大好きで、よく飲む。よく、医学部の友達の話をしてくれる。「紹介しようか?」

先日、朝方に川を見に行ったら、川はものすごい流れで、濁流だった。土手は、濁流で埋まっていた。流木が流れていた。木材も、流れていた。ラッコみたいな動物が親子連れで川をじっと見ていた。鴨が川をじっと見ていた。 とてつもなくでかく、みたことがないぐらいでかいカエルが、いた。妻子持ちの友達にそのことを言ったら、「それは、ユートリアだよ」と、教えてくれた。川はものすごい流れで、自転車が、流れていた。

女の子が、にんにくが食べたい!と言うので、イタリア料理店に行き、ペペロンチーノ片手に、ワインを飲んだ。こんなオシャレな店に来るのも、久しぶりだ。すごく大きな鏡が後ろにあり、キッチンが見える。町家を改装したレストランは、k市にはよくある。このレストランは、少し高いのだが。最近できたレストランだそうで、このように、最近できたレストランが何件かあり、全て麺類だそうだ。大学の近くなのだから、このように学生街ができればいいと思うが、少し高い。ワインがとてもおいしい。でも、こんなにでかい鏡が正面に置いてある。鏡で自分の顔を見るのは少し照れくさいが、女の子が正面にいるので、女の子の背後にある鏡は、僕の顔を映さずに、木造の、町家の建築を映し、空間を広く見せ、ああ、そういうことがしたかったのだな、と、今、書いている途中で気づいた。女の子はレズビアンバーの話をする。あまりにもモテないので、自分の性を疑うことがあり、ほら、誰しもさ、こういう年代なら自分を見つめたりするじゃない?あまりにもみんな若くて、女性ホルモン過多なのかな?いつまでもキャピキャピしてる人たちばかりだったから、ダメだったけれど。君も女装して行ってみたら?どうやら、そういう日があるらしい。

往けど化粧 帰れど化粧
私はあなたを待っているだけ
長い間 目も開けないで
私はあなたを待っているだけ

できそこねた ものを並べて
私は明日を捨てていくだけ

往けど化粧 帰れど化粧
あなたができたの見届けるだけ

隠したのは誰の顔
惜しいところで寝違えた
愛情でほしいものならいつも通り知らない食べ物

往けど化粧 帰れど化粧
私はあなたを待っているだけ
長い間 目もくらむ程
あなたの世界を見届けるだけ
往けど化粧 帰れど化粧
往けど化粧 帰れど化粧

もう一つ引用

土砂降りの中、何も出来なくて、せっかく街に出たというのに、何も出来なくて、イライラしていたあなたにまたいらだち、本棚を蹴ってしまうと、本がこぼれてきた。いっそ、燃やそうか?捨てようか?食べようか?投げようか?焼こうか?そんなことばかり考えて絶望し、うちひしがれていても、急ににっこり現れて、あさりの酒蒸しをごちそうになり、つい溜息をもらし、「なんやねん辛気くさいことばかり」と言われ、またムッとするけれど、そうもばかりいってられない。もうじき笑ってしまう。

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